メチオニンは脂肪燃焼を完全サポート!長寿の秘密も!?

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メチオニンは脂肪酸を取り込むL‐カルニチンの生成をサポート

メチオニンはリジンとともに脂肪燃焼における重要なアミノ酸と言われています。その理由を体内のメカニズムから読み解き正しい脂肪燃焼を目指しましょう。また、最新の研究では長寿の秘密が隠れているアミノ酸ではないかとも言われており、その最新の研究にも少し触れてみたいと思います。
メチオニン

 

メチオニンは脂肪酸の運び屋L-カルニチンの生成をサポート

皆さんはL-カルニチンという名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?脂肪燃焼に重要な物質だということはご存知かもしれません。そもそも脂肪の燃焼とは脂肪酸が細胞の中のミトコンドリアの中に入ることで起こります。しかし、この脂肪酸はミトコンドリアに入る際にそのままではミトコンドリアの膜を通過することができません。そこで必要となるのがL‐カルニチンで、この物質と結びつくことで初めてミトコンドリアに取り込まれ、脂肪の燃焼が始まります。
このL‐カルニチンは経口摂取でもその効果が見られるという論文もありますが、そうではないといった論文も散見されます。間違いなく言えることは体内で作られたL-カルニチンは確実に脂肪燃焼効果があるということです。このL-カルニチンを作る際に必要になるアミノ酸がリジンとメチオニンの二つです。このリジンとメチオニンからビタミンCとビタミンB6のサポートでL-カルニチンが作られます

 

メチオニンによる脂肪の燃焼メカニズム

 

メチオニンに寿命を延ばす秘密が隠されている!?

2015年9月に科学の世界で権威のあるNature Communicationsという科学雑誌に「Enhancing S-adenosyl-methionine catabolism extends Drosophila lifespan」(翻訳すると「S-アデノシルメチオニン代謝によるショウジョウバエの寿命延長」)というタイトルの論文が東京大学大学院の薬学系研究科のチーム(遺伝学三浦研究室)から発表されました。この研究内容は文部科学省の科学研究費補助金基盤研究と国立研究開発法人の科学技術振興機構の研究課題の一環として行われた研究で、人の寿命を延ばす研究に繋がるかもしれない注目すべき研究内容でした。その中心のテーマとして上がっているのがメチオニンです。

 

簡単にこの研究のポイントをまとめると、メチオニンは体内で酵素によりSアデノシルメチオニン(SAM)へと変換されます。このSAMが余剰に存在する場合に、グリシンNメチルトランスフェラーゼ(Gnmt)が活性化され、SAMを代謝してその量を調節します。このGnmtによるSAMの代謝調節機構が働くことでショウジョウバエの寿命が延びる実験結果が示されました。ただ、その作用機構などはまだ詳しく解明されておらず、これから更なる研究を続けていくことが重要です。

 

また、寿命の長さを扱う実験では、人間のような長寿の生き物では実験結果を出すことが難しく、通常はショウジョウバエのような短命の生き物で実験されます。このSAMの代謝調節機構は人間にも存在しており、今回得られた実験結果がマウスやヒトなどの哺乳類でも同様な結果が得られるのかを今後検証していくことが必要になるとされています。

 

SAM代謝と寿命の関係