アルギニンはスーパーアミノ酸!

トップページ > アルギニンはスーパーアミノ酸!

代謝以外にも効果絶大!アルギニンはスーパーアミノ酸

アルギニンの特筆すべき3大効果

アルギニン

 

アルギニンは最近スーパーアミノ酸とも呼ばれ、その効果に注目が集まっています。アルギニンについて調べると様々な効果が謳われているのが分かると思います。どれが本当なのか?と疑うぐらい色々な情報で溢れかえっていますが、実際にアルギニンは体の中の様々なメカニズムの中で使われているため、多くの効果があることは事実です。

 

ここでは中心となるアルギニンの効果を整理し、知っておきたい特筆すべき効果3つを紹介させて頂きます。

 

成長ホルモンの分泌(老化抑制)
代謝サイクルの活性化
一酸化窒素(NO)の合成で免疫力UP

 

効果その1:成長ホルモンの分泌(老化抑制:アンチエイジング)

アルギニンは多くのホルモンを分泌する内分泌器官である脳下垂体を刺激し成長ホルモンの分泌を促す効果があります。成長ホルモンの生理作用は主に2つあります。

 

第1の作用は成長に関する作用です。成長ホルモンは肝臓に働きかけ、IGF-1と呼ばれる成長因子を出します。このIGF-1と呼ばれる成長因子を介して細胞分裂の速度を高め、骨や筋肉の成長を促します。高齢になってくると、成長ホルモンの分泌が少なくなり新陳代謝のスピードが下がって来ます。これが老化の原因です。つまり成長ホルモンはアンチエイジングの重要な役割を果たしていることになります。

 

第2の作用は代謝に関する作用です。炭水化物、タンパク質、脂質の代謝を促進するとともに、肝臓でのグリコーゲンを分解することで、血糖値を上げ、エネルギーとして使われた血液中の糖を一定に保つ役割があります。

 

また、成長ホルモンには免疫力を高める作用もあるため、病気や外科手術後の患者さんの回復にもアルギニンは使われています。

 

上場会社の協和発酵キリン株式会社の子会社で、医薬品原料などを作る日本でも大手の協和発酵バイオ株式会社では、アルギニンが実際に成長ホルモン促進させている検証データをウェブサイト上にも表示しています。

 

このデータによればアルギニンを摂取した人とそうでない人(図中のプラセボデータ)を比較した際に、アルギニンを摂取した人の方が、夜間の成長ホルモンの分泌が高くなることなどの報告がされています。

 

アルギニン

(協和発酵バイオ株式会社のデータを参照させて頂いています)

 

効果その2:代謝サイクルの活性化

肝臓には3つの重要な代謝サイクルがあります。アンモニアを尿素に変えて解毒する「尿素回路」、体内エネルギーの中心物質ともいえるATPを産生する「TCA回路」、グルコース(ブドウ糖)を合成する「糖新生」です。

 

激しい運動などを行うと体内では疲労の元になる有害なアンモニアが生成されますが、アルギニンは尿素回路を活性させて体に有害なアンモニアを尿素へと変換します。アンモニアが減少することで、残り2つの重要なサイクルの代謝を促進し、エネルギーの産生も助けることに繋がるため、アルギニンは非常に重要な役割を果たしている物質と言えます。
尿素回路図

 

効果その3:NO(一酸化窒素)生成の合成で免疫力UP

血管内皮細胞では、NO合成酵素(NOS)によりアルギニンと酸素から NO とシトルリンが合成されます。NOが放出されると血管が拡張し、十分量の血液が体内を循環できるようになります。この機構は米国のIgnarro博士たち(3名)が解明し1998年にノーベル生理学・医学賞を受賞するほどの発見で、この発見から更に研究が進み、現在ではNOの活性化で免疫細胞マクロファージが活性化され、細菌やウイルスの破壊などにも効果がある、つまり免疫力が上がることが研究結果によって少しずつ解明されてきています。

 

 

アルギニンによる血管拡張効果

2000年にAndrew J. Maxwelらが発表した論文では高コレステロール血症患者へ、アルギニンを摂取させた時とそうでない時の血管拡張率を示した実験の結果が示されている。結果は下の図のとおりでアルギニンを摂取した患者は大きく血管が拡張されていることが分かります。

 

アルギニンによる血管拡張効果
(参考論文) Andrew J. Maxwell, Barbara Anderson, Michael P. Zapien and John P. Cooke. Cardiovascular Drugs and Therapy. 2000

 

アルギニンによる手術後の経過観察

1992年にJohn M Dalyらが発表した論文では手術の後に、アルギニンを強化させ経腸栄養剤と通常の栄養剤を与えた患者間での術後の合併症の発症率と入院期間が示されている。結果は下の図のとおりでアルギニン強化栄養剤を摂取した患者は25%以上も合併症の発症率が低くなっていることが分かり、あきらかに免疫力がアップしていることが分かる。

 

アルギニンによる術後合併症抑制効果
(参考論文) John M Daly, et. al. Surgery. 1992